AMB 2024で紹介したHEIDENHAIN TNC7
コンパクトなTNC7 basicと新しい多機能オーバーライドコントローラOC 310によりHMIポートフォリオが拡充
展示会AMB 2024において、HEIDENHAINは「Stairway to sustainability: 最初の部品から生産性を向上」というコンセプトを掲げ、来場者に生産性、品質、工程の信頼性を高める様々なソリューションを紹介しています。CNC装置に関しては、 3+2軸用のコンパクトなTNC7 basicや、新開発の多機能オーバライドコントローラOC 310などを紹介しています。
HEIDENHAINブースとTNC Clubブースでは、TNC7ファミリー製品の拡充した機能とソリューションを紹介しています。おなじみの24インチバージョンに加えて、小型タッチスクリーン搭載の19インチTNC7、 小型工作機械に適した16インチタッチスクリーン搭載の新しいTNC7 basic、そしてグラフィカル6DセットアップMAS、衝突監視DCM、トロコイド加工OCMなどの機能をバーチャルで体験できるTNC7プログラミングステーションなどです。
コンパクトなTNC7 basicが加わりポートフォリオが拡充
直感的な操作が可能なHEIDENHAINのTNC7ファミリーは、3種類のモニタ(24インチ、19インチ、16インチ)とキーボードを選べるため、様々なアプリケーションに対応できます。展示会AMB 2024では、HEIDENHAINは16インチバージョンのTNC7 basicにスポットを当てて紹介しています。この新しいバージョンは、TNC 620の後継機種としてTNC7ファミリーのエントリーモデルとして位置づけられ、3+2軸のような小型工作機械はTNC7の優れた機能を使用することができます。TNC7の主な特徴は、フルHD解像度のモニタを搭載し、段取り時にグラフィカルに6自由度位置調整を支援するMAS、衝突監視DCM、トロコイド加工OCMなどの様々なソフトウェアオプションを利用できるため、時代を先取りする操作性、生産性、そして工程の信頼性向上を実現します。
新機能: TNC7に対応する多機能オーバーライドコントローラOC 310
1つの多機能制御ノブに2つのポテンショメータを搭載する新しいオーバーライドコントローラOC 310ひとつだけで送りと早送りの両方を制御できるため、TNC7での作業が簡単になります。新しい「条件付き停止」ソフトウェア機能は、ユーザーが直感的かつ簡単にNCプログラムのプルーブアウトを片手で実行できるように支援します。ユーザーは、チルト加工前、工具変更時、送り速度が早送りに変更するときなど、プログラム実行中にCNCが停止するブレークポイントをNCプログラムに定義するだけです。オーバーライドコントローラの振動によりユーザーは触感でフィードバックを得るため作業を簡素化することができます。
加工開始までに要する時間を短縮
すべてのバッチサイズと自動化レベルで、最初の部品に生産性の高さを追求するには、加工以外の工程も検討する必要があります。特に工作機械の段取り工程を迅速で簡単にすることが重要で、時間の節約やCO2排出量の削減につながります。ワークとワーク固定治具の6D位置調整をグラフィカルにサポートする機能により、TNC7は時間とエネルギーの両方を大幅に節約することができます。
このグラフィカルサポートにより、段取り作業の複雑さに関わらず、ワークとワーク固定治具の両方の位置を、迅速、簡単、確実に調整することが可能です。形状が複雑、加工途中、クランプタワーを使用しているなど、いずれの場合でもTNC7は段取り工程全体において、対話形式で段階的にサポートを行います。複雑な部品の場合、この段取り方法は従来のプロービングサイクルよりも最大5倍高速になります。この6D位置プロービング機能をワーク固定治具に適用することで、動的衝突監視機能(DCM)を向上します。新しいモデル支援セットアップ(MAS)オプションはワークに適用することができます。
最適な切削データによるフライス加工
TNC7で利用可能なオプションである、最適輪郭フライス加工(OCM)は、あらゆる形状のポケットや突起部において、最適なトロコイド加工方法を常時計算することにより、次世代のトロコイド加工を実現します。ユーザーが輪郭を入力するだけで、切削データ計算機能が最適な加工パラメータを作成するため、粗加工やフライス加工の生産性が大幅に向上し、工具の消耗が低減します。OCMのインテリジェントなバリ取り機能は、プログラムされた輪郭に沿って理想的なエッジ仕上げを行います。最適輪郭フライス加工により、エネルギー消費を削減し、工程の信頼性を高め、プログラミングから加工までの生産工程全体の時間を節約がすることができます。