TNC7の新機能とTNC7 goのご紹介
生産の可能性をさらに拡大: HEIDENHAINは、TNC7の機能と製品ポートフォリオを拡充することにより、工作機械メーカーやユーザーに向けて、新たなアプリケーション領域と加工技術の可能性を切り開いてます。
- 円筒研削と形削り、さらに円筒表面加工,の新しいオプションが加わり、TNC7は複数工程を1台で完結できる機能を強化しています。展示会来場者はHEIDENHAINブースの工作機械を用いたデモにより新たな可能性を体感できます。
- シミュレーション機能がさらに強化され、NCプログラムを実行前により便利かつ詳細に確認できるようになり、工作機械での安定した動作を確保できます。
- HEIDENHAINは、ロボットがKlartextを理解できるように学習させています。これにより、TNCを使用して、自動化された工作機械のロボットを直接操作できるようになります。
- TNC7 goは、TNC7シリーズの直感的で画期的な操作設計を、職業訓練や工作機械のアップグレード向けに最適化されています。
最高の寸法精度、形状精度、面精度を持つワークを1台の工作機械で加工するために、TNC7は形削りおよび円筒研削機能を提供します。TNC7のユーザーは、ワークを再チャッキングすることなくフライス加工、旋削加工、研削加工を自在に行うことができます。
形削り機能により、高品位なシール面の加工が可能になります。これは、例えばバッテリー製造や半導体産業などにおいて必要とされる機能です。この制御機能により、形削り工具は輪郭に対して常に自動的に直角を維持するため、ユーザーは主軸角度をプログラムする必要はありません。この制御機能は、作業面の傾斜や工具オフセットを自動的に補正します。適切な工具を使用することで、ユーザーは形削り機能を用いて、印刷技術や宝飾・時計製造業で求められる特殊な面品位に対応したエッジの面取り(ベベリング)や、表面へのパターン刻印(エンジンターン)を行うことができます。
今回のEMOにて、HEIDENHAINはTNC7用の円筒研削機能を初めて公開します。これにより、フライス加工、旋削加工、研削加工といった複数の工程を1台で完結できるため、マシニングセンタの加工能力がさらに向上します。円筒研削および研削砥石のドレッシングには、標準化されたサイクルが利用可能です。このサイクルは、回転対称形状のワークに対して、長ストロークおよび短ストロークの研削の両方に対応しています。この工程では、往復動作と送り動作が互いに独立して行われるため、NCプログラムを変更することなく、確認作業中に加工工程の最適化を行うことが可能です。このサイクルは、接近と離脱の動作に関する運動特性も自動的に考慮するため、複雑な機械構造や困難な接近条件への対応を支援します。
TNC7およびTNC7 basicには、円筒表面加工に対応する新しい機能も搭載されています。円筒表面変換機能により、フライス加工、穴あけ加工、刻印など、ほぼすべての工程に対応した非常に包括的な加工サイクルを円筒表面にも適用することが可能になりました。これを実現するには、工具をロータリテーブルの軸および円筒形ワークに対して垂直に配置する必要があります。この変換機能を有効にすると、円筒表面上で必要なサイクルと動作をプログラムするだけで済みます。加工中、ロータリテーブルの動作によって、工具が円筒表面に対して常に垂直に保たれます。
EMO 2025より、TNC7の高度なシミュレーション機能を補完する2つの新機能が追加され、機械シミュレーションに基づいたNCプログラムの検証が容易になります。また、シミュレーション内で工具経路を早送りや巻き戻しすることで、TCP経路に含まれる機械の運動特性全体を考慮しながら、重要な移動動作を詳細に確認することができます。シミュレーションレポートでは、検出された警告やエラーが明確な形式で表示されるため、効率的かつ効果的なエラー分析が可能になります。ユーザーは、シミュレーションからのメッセージを、従来通り情報バーのメッセージメニューに表示するか、プログラムワークスペース内のシミュレーションレポート欄に表示するかを選択できます。
HEIDENHAINは、新しいソリューションにより、自動化された工作機械におけるハンドリングロボットの操作を容易にしています。これにより、ユーザーはロボット制御に関する専門知識を必要とせず、TNCを通じてロボットを直接操作・プログラムすることができます。これは、工作機械とロボットの動作が、CNC装置のユーザーインターフェースを通じて同一の方法でプログラムされることにより可能になります。ロボットはKlartextサイクルを通じてプログラムされ、統合されたティーチインプロセスを利用することで非常に簡単に設定できます。ユーザーは、ピックアンドプレース、バリ取り、グリッパ制御など、さまざまなロボット機能を必要に応じて組み込むことができます。ロボットコントローラはイーサネット経由でTNCに接続され、バスシステムを必要としないため、既存の工作機械のレトロフィットも非常に容易です。
TNC7 goにより、HEIDENHAINはTNC7シリーズの先進的で直感的なユーザーエクスペリエンスを職業訓練用途や旧型の工作機械用に最適化し、日常業務を大幅に簡素化する実用的な機能をさらに拡充しています。中でも、新しい「グラフィカル位置決め」機能が代表的です。ユーザーはNCプログラムを作成する代わりに、タッチスクリーン上で目的の輪郭、パターン、穴あけ位置を直接作図できます。そしてCNC装置はこれらの動作を自動的に実行します。同様に便利なのが、新しい「手動サイクル」機能です。これにより、穴あけや正面フライスなどの代表的な加工作業をプログラミングなしで実行できます。これらの機能により、TNC7 goは、迅速に成果を求める経験豊富な専門家にとって理想的であると同時に、工作機械の初心者にも最適な製品です。TNC7 goは、高い生産性、短期間で習得できる操作性、そしてユーザーフレンドリーなCNC体験を提供する製品です。TNC7 goは、最先端の職業訓練センターや製造現場、工作機械のレトロフィットプロジェクトのニーズに的確に応えるよう設計されています。